営業のストーリー?
「営業にはストーリーが大切だよ。」
私の師匠が言っていた言葉です。ストーリーって物語の事?なんで営業に物語?師匠の言葉に対して、当時の私には腹落ちする体験がありませんでした。
営業活動=販売活動
目の前のお客様にどれだけ多く売りたいモノやサービスの説明をして、その情報に納得してもらうかを重視して活動していました。しかし、私が汗をかいて一生懸命得意先の担当者に説明しても、目の前のその人には納得してもらえるものの、最終的には「予算が合わない」「タイミングが遅かったね」「部長の知り合いの会社になっちゃった・・ごめん」などの理由で他社が受注するケースも多々ありました。
視野を広げる
やっとスケジュールを合わせてアポイントを取って、アイスブレイクから本題に入り、最後はちょっと押したりお願いしたり。これを何度も繰り返して担当者との信頼関係を作って、会ってもらえる様にはなるもののなかなか発注いただけない・・。「営業ってこういうもんだよね」という妙な納得感はありましたが、なんとかここの効率を上げる事は出来ないかと考えていました。
広告の営業はBtoBが中心です。それでもやはり人と人との信頼関係が重要です。広告宣伝や販売促進の担当者は面白い人が多く、波長の合う人とは楽しく商談が進みます。でも、目の前のその人が全て決められるわけではなく、その人の会社にはその人の会社特有の決定プロセスがあるのです。
「お客様は目の前のこの担当者だけではない」
やっと私は視野が狭かったことに気付きました。
相手の会社の中をもっと知る
担当者に良いと思ってもらい、受注へのステップが進むのは間違いありません。でも、会社というのはその人がよっぽどのワンマン社長でない限り、購入を一人では決められません。大きい会社であればあるほど直属の課長、部長、役員を経て場合によっては社長決裁、あるいは取締役会と複数階層の承認フローを通過する必要があります。
また、上場企業、ワンマンオーナー企業、都市部のスタートアップ企業、人情に厚い地方老舗企業、年齢層の若い企業、女性の多い企業・・会社のタイプによってその決定プロセスは実に様々です。
「営業ストーリーを作る」とはそれらに合ったオリジナルの戦略を描いて攻略していくという意味で、これこそが営業が介在しているからこそできるやりがいのある部分だったのです。営業は取引を継続していきたいと思ったその会社だけのオリジナルのストーリーを考える作家でもあるのです。
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